『アイルランド・ストーリーズ』

ウィリアム・トレヴァーアイルランド・ストーリーズ』読了(1月31日)。

アイルランド・ストーリーズ

アイルランド・ストーリーズ

完璧な短編小説だ。
中でも一番好きなのは「パラダイス・ラウンジ」という短編。若いカップルがお別れ旅行で立ち寄った時代遅れのラウンジに、もう一組カップルの秘められた愛が立ち上がる瞬間の描き方が、もう。すばらしい!

最後、そのラウンジからひとり帰る老女の姿が目に焼きついてはなれない。

読み終わってかなり経つけれども、どの短編にもひとつくらい忘れられない姿がある。体に合わないメイド服を着させられたキャスリーン(「キャスリーンの牧草地」)、爆弾の入ったカバンを持ってバスに乗り込む青年(「哀悼」)、だました男へ手紙を書きはじめる詐欺を働いた女(「見込み薄」)とか。

■今読んでいるのはトマス・ピンチョン『逆光』。おもしろいし、読みやすい。長い長い話だし登場人物もやたらと出てくる(これはいつものことだけど)のでメモを取って、ドキドキしながら読み進めている。読了は今月中か、3月初旬を予定。