引用

『明治劇談 ランプの下にて』から

五代目菊五郎が明治36年2月に、九代目団十郎が同年9月に亡くなって、団菊左の最後のひとり初代左団次が明治37年に亡くなったときの回想。せつない。 「左団次もとうとう死んだか」 去年の十一月、東京座で彼の「碁盤忠信」を見物したのが私としては最後であ…

『どうして僕はこんなところに』から

なんだかすごく好きな文章だ。 イギリスの画家ハワード・ホジキンの描く色鮮やかな絵画は、基本的に自伝に近く、勇壮華麗であると同時に不安に満ち、現代美術のどんな既成の範疇にも収まらない。 七歳で画家になろうと決意し、十七の頃には、のちの発展を決…