吉例顔見世大歌舞伎 夜の部

昨日、新橋演舞場に行ってきた。

一、ひらかな盛衰記
逆櫓

船頭松右衛門実は樋口次郎兼光:幸四郎
お筆:魁春
女房およし:高麗蔵
漁師権四郎:段四郎
畠山重忠:彦三郎


二、梅の栄

梅野:芝翫
雄吉郎:種太郎
佑太郎:尾上右近
暁之丞:種之助
修之助:米吉
駒之丞:宜生


三、傾城花子 忍ぶの惣太
都鳥廓白浪(みやこどりながれのしらなみ)
序 幕 三囲稲荷前の場
    長命寺堤の場
二幕目 向島惣太内の場
三幕目 原庭按摩宿の場

忍ぶの惣太/木の葉の峰蔵:菊五郎
傾城花子実は天狗小僧霧太郎実は吉田松若丸:菊之助
葛飾十右衛門:團蔵
下部軍助:権十郎
吉田梅若丸:梅枝
植木屋茂吉:男女蔵
御台班女の前:萬次郎
お梶:時蔵
宵寝の丑市:歌六

■逆櫓
時代物が嫌いなのでまったく期待していなかったが、意外や意外、おもしろかった。第一場のおよし、権四郎のせつない気持ちにぐっときて(高麗蔵の突っ伏す姿がうつくしかった)、第二場の派手な立ち回りがあまりにも派手で、見ていて幸せな気分になった。目が喜んでいるな、と。花道見える席を取ってよかった。

■梅の栄
さすがの芝翫。かっこいい。宜生くんがひとりで踊るところは可愛くて、それを見守る芝翫も心なしか「おじいちゃん」の目になっていた。

■都鳥廓白浪
これがお目当て。黙阿弥だー。だって、美少年殺しは必要以上にたっぷりだし、男が女装してお職の花魁やっちゃうし、男とわかっていながらも花子の美しさにムラムラきちゃう丑松だし、よ!この倒錯野郎!
話の中身がどうの(込み入っているけど。花子に関しては「実は」がふたつあるし)、というよりは「はああ、かっこいい」とか「はああ、きれい」とか「はああ、エロい」を単純に楽しめるのが好きだ。シャッターチャンスの連続。最後のオマケのような「おまんまの立ち回り」もバカバカしくていい。なぜ飯を食いながら立ち回りをする。