『ホワイト・ジャズ』
ジェイムズ・エルロイ『ホワイト・ジャズ』読了。
- 作者: ジェイムズエルロイ,James Ellroy,佐々田雅子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1999/03
- メディア: 文庫
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何食わぬ顔をして出てくるミッキー・マウスにびっくり。ネズミのムーチーはどこにいったの??
ま、それは置いておいておもしろかった!なんというか読む前に抱いていたイメージ通りのエルロイ!異様な文体、異様な事件、タフな悪徳警官、過剰で(不思議と)ポップな暴力描写、そして精緻な構成。
文体の問題か「わかりにくいわかりにくい」と聞いていたのでビビりながら読み始めたが、思っていたほどじゃなかった。会話で何が起こったかはだいたいわかるようになっていたし。あの文体のおかげで、クラインのフラッシュバックがものすごく怖かった……。
あと、巻末の<暗黒のLA4部作>裏面史年表もおもしろかった。あの事件とこの事件は同時進行だったのか!っていうか「アイツ」はなんだか大活躍しすぎじゃないか、スーパーマンかよ、な発見が。あれを片手にもう一回読み返したい。
これで9月からのエルロイの「<暗黒のLA4部作>まつり」もついに終わってしまった。
4部作中、いちばんグッときた登場人物はバズ・ミークス。見た目はお世辞にもかっこいいとは言えなさそうなんだけど、最高にかっこいい男だった。タフだけど自分の感情を優先させちゃうセンチメンタルなところがあるところが。『ビッグ・ノーウェア』のラストと『L.A.コンフィデンシャル』のプロローグは涙なしには読めず。ちなみに次点はバド・ホワイト。
他の登場人物も悪い奴ら、というか愛すべきクソ野郎ばかりだったけど、お別れはなんとも寂しい。
ちなみに一番好きな作品は『L.A.コンフィデンシャル』。端から端までバッチリ決まったかっこいい小説だった。ある点に向けて物語が加速していく感じとか、3人の主要人物がそれぞれに覚醒していく様とか、完璧に好み。
で、今日から読み始めたのはデイヴィッド・ベニオフ『卵をめぐる祖父の戦争』。卵探しはまだ始まらない。が、これは良い予感がする。楽しみ。