5/22〜5/24(中欧旅行記2)

5月22日(火)
うす曇り。早起きしてチェックアウトする。8:40西駅発の列車に乗ってリンツへ。11時過ぎに到着。前日の夜にリンツから乗る予定のチェスキークルムロフ行きのシャトルバスが時間変更になったという連絡が来たので時間をつぶすためにしばしリンツを散策。とりあえずレントス美術館へ。なんか自動車を使った特別展をやっていた。

その後は中央広場に行く。三位一体の柱に鳩がたくさんとまっていてなんだかおかしい。

広場にあるカフェで昼ごはん。なぜかハンバーガーを食べたがこれもおいしかった。この国は肉料理さえ食べていれば大丈夫なんだとしみじみ思う。シャトルバスの時間が近づいたのでリンツ駅に戻りシャトルバスに乗り込みチェスキークルムロフへ向かう。ぐねぐねした道を走りあっさり国境を越え2時間もかからずチェスキークルムロフ到着。なんだか絵本に出てきそうな街。

今日泊まるペンション(このペンションのオーナーが近くのアンティークショップも経営しているらしくそちらの店番中でペンションの中に入れず困った、とかあったもののそれはまあ置いておいて)にチェックインしてとりあえず慌ててチェスキークルムロフ城へ行く。いい景色。

塔にも登りたかったが閉まってしまった。観光地に行くととりあえず高いところに登りたがるな。お腹も減ったのでエッゲンベルクの醸造所にあるレストランを目指して歩くが街が狭いわりにわかりにくく迷ってしまう。なんとかたどり着いてビールにありつく。甘くてコクがあっておいしい。そしてまた肉。豚の肩肉だったか。あとパンのような白い謎の食べ物とザワーウラウト。

久しぶりに食べたすっぱい食べ物のおいしさったらない。次は黒ビールを飲んで満足して部屋へ戻る。お風呂に入るがカランとシャワーの切り替え方法がわからなかった。あれはどうするべきだったのか。あと、お湯は出たがタンク式らしく最後の方で水に変わりそうだった。あぶない。

5月23日(水)
晴れ。8時に朝食。オーナーのママらしき人が小型犬とともに登場し、コーヒーを淹れてくれる。どうやら友人もシャワーの切り替え方法がわからなかったらしい。ペンションでタクシーを呼んでもらってバスターミナルへ。11時過ぎのバスでプラハへ向かう。バスの中でモニターに流れていたのが「HACHI 約束の犬」だったのだが、これは修学旅行だとか遠足だとかのバスの中で「南極物語」を流すのと同じ発想なのだろうか。14時くらいにプラハ着。ここからトラムに乗ってホテルの最寄り駅まで。最初トラムの方向を間違えてしまい「場末」っぽさが漂ってきて焦る。無事に正しい方向のトラムに乗りなおし、"the Golden Well Hotel"に到着。

レセプションのお姉さんにホテル内を案内してもらいウェルカムドリンク(白ワインを選ぶ。うまい)をテラスでいただき部屋に通される。部屋には白ワイン1本とフルーツが置いてあり、なんというか完璧なのだ、このホテルは。

ふたりでひとしきりきゃあきゃあ騒いだあとストラホフ修道院へ。修道院にある図書館が目当て。閉館15分前に滑り込み(受付のおばちゃんに"YOU MUST HURRY!"と言われた)、時間ぎりぎりまでボンヤリ眺める。メルク修道院の図書室も見たが(やはり少しバカっぽいのだ)こちらの方が好みだった。おばちゃんにお礼を言って修道院の敷地内にあるレストランへ。どう考えても観光客向け値段で高いのだが外で気持ち良さそうだし見晴らしもいいのでここに入ってしまう。ついにピルスナーウルケルを飲みそのうまさに感動しながら久しぶりのサラダを貪り食う。気分がよくてここは天国かと思う。観光客値段でもいいじゃないか。

いったん部屋に戻り着替える。歩きでルドルフィヌムへ行く。プラハの春音楽祭。15分くらいで会場に着くとおしゃれした男女が山盛りにいてたのしい。

最後の曲、ベートーベン「ピアノ協奏曲第3番作品37」がすばらしく(クラシック音楽何も知らないが)ブラボーの声があちこちからかかり、私も人生初スタンディングオベーションを決めた。

部屋に戻り白ワインを飲みフルーツを食べ、サービスで部屋に届けられた小さいケーキを食べてやっぱりここは天国だなと思う。

5月24日(木)
晴れ。朝早めに出てプラハ城へ。とりあえず聖ヴィート大聖堂へ入る。おお壮麗。

ミュシャがデザインしたステンドグラスもあった。

足早に黄金小路へ。日本でよく売っている真鍮のブックマークを買う。10個買うと1個おまけしてくれるというので友人と一緒に選ぶ。店のおばちゃんが陽気でおもしろい。"(ハートの飾りがついたブックマークを指しながら)This is Romantic." "(メガネと本の飾りがついたブックマークを指しながら)This is Harry Potter." などと連呼しながら売りまくっていた。プラハ城を出てカレル橋へ行く。また世界各国の観光客とともに聖ヤン・ネポムツキー像の台座のレリーフ(犬と王妃)を触ってプラハにまた戻ってこれるようにお願いする。

なんかムカつくザビエル像も見て橋を渡り終える。プラハの旧市街へ向かう。今日のメインイベントである「黄金の虎」の場所を確認して旧市街広場へ。広場のアイスクリーム屋で(中欧に来てから大人がやたらとアイスクリームを食べているのを見かけて羨ましかったのだ)レモンアイスを買って食べながらぶらぶら。ガッカリ名所として名高い旧市庁舎の天文時計も見る。

確かに「え?もう終わり?」という感じだった。塔の上のラッパ吹きのにいちゃんに向かって拍手喝采。まだ時間があるのでプラハ市民会館(スメタナホール)へ行く。アールヌーヴォーのぬめぬめした感じがいい。

あと火薬塔。

ついに「黄金の虎」へ向かう。さっき場所を確認したのになぜか道を間違え小走りで旧市街を行く。開店5分前くらいに「黄金の虎」着。

常連らしきチェコ人のおっさんたちとともに開店を待つ。開店して「RESERVE 18:00」の席に着く。

しばらくすると本当に「どん」という感じでピルスナーウルケルが登場。

やっとたどり着いたという特別感も加わっているんだろうが本当にうまいビール。さほど酒の強くない友人が私より早く飲み干していて店の人にサムズアップで褒められる。常連らしきおっさんたちは1杯をゆっくり飲みながら楽しそうにしゃべっていた。久しぶりに店内でタバコも吸えて(屋内禁煙のところが多い)いい気持ち。結局1時間で3杯半(小さいサイズもあったのでそれが「半」)、友人は2杯半飲む。友人が店の人に「コースターを貰っていいですか?」と聞いたら新しいのを2、3枚ずつくれた。よくやった友人。そしていい人、店の人。日本で読んだありとあらゆる脅しはなんだったんだろうか。嬉しすぎて友人とかわるがわる店の前で記念撮影。次はトラムに乗ってビアフェス

まだ飲む。コインを買って必要枚数分を注文のときにお姉さんに渡すシステム。あの看板のような人がいなかったが。

ビアフェス限定ビール(1リットルジョッキ!)とハムを頼んで再び乾杯。

これもうまい。そして日に当たりながら飲むことの楽しさ。やはりここは天国だ。さすがに2杯目の途中で限界(酔いというより炭酸腹)を迎えたのでホテルに戻る。途中、ショッピングセンターみたいなところに入ってトイレを探すが間違って通用階段へ入ってしまう。しかもそれがオートロックで内側から開けられないという最大のピンチ。すわ白骨遺体か!と開かないドアをドンドン叩いていたらどこかのレストランのおっさんが面倒臭そうに開けてくれた。ありがとうございます、見知らぬおっさん。無事にホテルに戻り昨日の飲み残しのワインを飲む。それと再びケーキとフルーツ。ウィーンに戻りたくなくなってしまう。