9/1〜9/4(函館旅行記)

9月1日(日)6時半ごろ起きる。こんなに早く起きなくてもいいのだが目が覚めてしまったのだから仕方がない。9時ごろ家を出る。羽田空港へ。搭乗時間まで時間があるのでとりあえずビール飲んだ。

12時15分発のJALで函館へ向かう。離陸したなあ、と思ってお弁当(天むす)食べてお茶飲んでってやっていたらすぐ着いた。13時半くらい。小雨が降っている。やっぱり涼しい。ジャケット着る。ホテルまで路線バスしかないので、時間まで空港内を漂う。バスに乗ると妙に蒸し暑いのでジャケット脱ぐ。五稜郭公園前駅近くのホテルに着く。早めに入れてくれるそうなのでチェックインを済ませる。部屋の窓から函館山が見えて、見事に山頂が隠れている。今日は夜景ダメか。ホテルの下にあるコンビニで市電の一日乗車券買う。600円。3回乗れば元が取れるらしい。とりあえず市電に乗って赤レンガ倉庫を見に行くことにする。

十字街駅からうろうろと歩いていたら上が洋風、下が和風の不思議な和洋折衷の建物がいくつかあってヘンテコでときめく。

赤レンガ倉庫はザ・港町でかっこいい。海なし県から来た身としてはまぶしいくらいのかっこよさだ。


中はショッピングモールになっているが、お土産屋が多くて地元の人は来ないのかな、という印象。トンボ玉が作れるお店を横目で見ながらこういう店って観光地によくあるけどどこが発祥なのだろうかなぜトンボ玉なんだろうかなどと考える。何も買わず。雨も強くなってきたので駅に向かう。「日本最古のコンクリート電柱」というのがあったので写真を撮った。四角い。

市電に乗って中央病院前駅へ。近くの居酒屋に入る。とりあえず生ビール(やっぱりサッポロだった)、念願の活イカ刺しがあったので頼んで(時価。今日は1,260円)、あとピーマンの天ぷら。透き通るイカのうまさよ!歯ごたえが全然違う!ワタ(ゴロと言うそう)もプリプリですっかり「イカ観」が変わった。ちなみに少し食べてから「写真」と思って撮った。

あとでゲソの部分をから揚げにしたのもやってきてこちらも大変おいしい。次はヒレ酒とアサリの酒蒸し頼む。今朝、家を出てきたときは30度以上あって暑くて暑くてと思っていたのに夜に函館でヒレ酒飲んでいるなんてたのしい(当然つぎ酒も頼んだ)。

市電に乗って謎のテンション(つまりは酔いだ)に突き動かされて十字街へ。絶対見えないとわかっていながら函館山ロープウェイ乗り場を目指す。すごい坂。チケット売り場で「今日は霧が出て夜景見えないですよ」と言われるが「いいです!」と言い放ってゴンドラに乗り込む。乗客は私入れて5人。ゴンドラが霧に突っ込む前に夜景は見えたがその後は何も見えなくてなんだか笑ってしまう。ゴンドラを降りて展望台に登るが何も見えなくてやっぱり笑ってしまう。それでもなんとなく見ているとたまに霧が切れてきらきらっとした夜景が見えた。教会のライトアップなんか見ながら十字街駅へ戻り松風町駅に向かう。

「J」というバーに入ると先客はひとりだけだった。お酒もおいしいし北海道弁のマスターに構ってもらってすっかり気分が良くなる。函館おすすめのお店を聞いたらバーやらラーメン屋やら食堂やら居酒屋やらを地図にたくさん書き込んでくれた。親切すぎる…。お礼を言って市電の終電(22時40分くらい。それが終電)でホテルに戻った。ちなみに函館の人は市電を「電車」と読んでいるようなので明日からは私もそう呼ぶことにする。

9月2日(月)あまちゃん見るために8時前に起きる。曇り。二日酔いではない。見終わって真っ赤な鼻のまま化粧した。下のコンビニで電車の一日乗車券買う。新川町駅で降りて、はこだて自由市場へ。中の喫茶店イクラ&ホッキ丼とコーヒーを頼む。海鮮丼は好きなネタを言うとマスターが市場のどこかの店に買いに行ってどこかの店の人が刺身を持ってくる。市場が全部冷蔵庫か。隣に座った関西弁のおっさんに話しかけられる。函館競馬(1日までやっていた)に遊びに来たらしい。と思ったら競馬関係者らしき人たちがわらわら入ってきておっさんに挨拶していた。謎である。そしてイクラホッキ丼登場。

うまい。生のホッキ貝がびっくりするくらいうまい。函館にいる間はホッキをどこかで必ず食べよう、と決意する。イクラもうまい。夢中になって食べているとおっさんが「そろそろ飛行機の時間だから帰る」と言ったので手を振ってお見送り。コーヒーを飲みながらマスターに函館山に登るなら函館駅から山頂に登るバスがあるからそれに乗ってみたら、と教えてもらう。途中、上から見るのとは違う夜景が見えたりするらしい。会計は1800円。食後のコーヒーが200円なので1600円か。電車に乗って十字街駅。函館文学館に入る。1階は函館ゆかりの文学者の展示(久生十蘭長谷川海太郎今東光など。辻仁成もあったな…)で2階は石川啄木の展示になっていた。啄木、字が下手。また電車に乗ってはしっこの函館どつく駅まで。どつく、と書いてどっくと読むらしい。造船所のドックのこと。ここから坂をだらだら上って外国人墓地に向かう。結構遠い。15分くらいかかったか。墓地なので写真は撮っていないが晴れていたら見晴らしがよくて綺麗なんだろう、と思う。もう少し先まで行くと駐車場があって海が見渡せたのでしばらくぼんやりした。海はすてきだ。


同じ道を戻って高龍寺の前を通り過ぎるとねこがいた。

電車の駅には戻らず歩いて旧ロシア領事館を目指すことにする。駅に戻るとまた坂を上らなくちゃいけなくなるし。ここら辺は人がいないな、と構わずどんどん歩いていくとカラスやら鳩やらが多くてなんだか怖くなってくる。とりあえず旧ロシア領事館の前まで来たがここもカラス&鳩天国だし、門は閉まっているみたいだし不気味すぎて通りの向こうから写真を撮って退散する。近くにお寺とお墓が多いからお供え物狙いみたいだ。

そのまま歩いて旧函館公会堂へ。色使いがバカっぽい!いい!

中に入るとドレスを着た女の人が何人かいた。どうやら貸衣装屋があって1000円でレンタルできるらしい。ヘアメイクしてもらってアクセサリー借りるとプラス1000円。代わる代わる写真を撮り合っていてたのしそうだ。

2階のバルコニーから写真を撮っていたら大学生のゼミ旅行風(女の子はドレス着用)の人たちに写真を頼まれたので撮った。まさか一眼レフを渡されるとは思わなかったが。元町公園に下りていって旧北海道庁函館市庁舎を眺める。中は観光案内所と写真歴史館が入っているらしい。いい建物。

次は基坂の途中にある旧イギリス領事館(本日4回目の「旧」)へ。旧領事館はクリーム色の壁に青の窓枠、赤っぽい屋根、というキュートな外観(なのになぜか建物の裏からしか写真を撮っていない。なんでだ?)。


いまだにアジサイに色が残っていてちょっとびっくりする。さすが北海道。

中もかわいい。

領事執務室に入ると人影があってびくっとしたら銅像だった。リチャード・ユースデン領事a.k.a.豆コンシロ(この人は背が小さかったから「豆」「consul」で豆コンシロと呼ばれていたそう)。

次はまたしばらく歩いて教会のある辺りへ。途中、函館で一番有名な八幡坂の上から景色を眺める。

(ここ以外にもフォトジェニックな坂は結構あって、まず姿見坂。旧ロシア領事館の近く。観光用に整備されていない普通の坂だけれどその普通っぽさが好き)

(それから基坂。上に旧函館公会堂、途中に旧イギリス領事館がある)

(そして日和坂。基坂と八幡坂の間にある。ここも普通で好き。そしてやっぱりあじさいがまだ残っている)

まずはカトリック元町教会に行く。敷地内には入れるはずだけど併設の幼稚園が帰り時間らしくバスが止まっていたので入らず。次はハリストス正教会。建物があ!なんかこういう装飾見たことある!と思った。とてもいい。

ここは中も見学できた。たくさんのイコンとイコノスタシス(聖障。聖所と至聖所を隔てる壁、仕切りのこと)に圧倒される。山下りんが描いたものもいくつかあるらしい。立ち去り難くてしばらく眺めていた。本物だ、という感じ。最後は聖ヨハネ教会。すっきりしている。上から見ても十字架になっているのかも。

いい加減お腹減って死にそうなので電車で函館駅前駅に行って「J」のマスターにいろいろ書いてもらった地図(Jマップ)を手にラーメン屋を目指すが、お昼の営業は終わっていた。無念。Jマップによると近くに食堂があるようなので行った。ガラスケースに入ったおかずを選んで持ってきてもらうスタイルの食堂。イカの煮物、ナスの煮物、あとおしんこ。で、ビール。

うまい。生き返る。店のテレビを見ていたら越谷の竜巻のニュースが流れてくる。疲れたのでホテルに戻って少し昼寝する。17時半くらいにホテルを出て函館駅に向かう。登山バス。しかし函館山の方を見ると頂上がうっすら煙っていてまたダメそう。やめればいいのだがなんとなく乗る。混んでいるんだろうなーと思ったら想像以上に混んでいた。座れなかったのでつり革につかまって山頂まで。当り前だがめちゃくちゃ揺れた。2合目、7合目からは夜景が見えたが9合目はダメ。そして山頂からもダメ。人もすごく多い。修学旅行っぽい小学生がはしゃぎにはしゃいですごいことになっていた。ただやっぱり昨日と同じくたまにきらきらっと光ってこれはこれできれい(と思うことにする)。

またバスで山を降りる。今度は9合目からも見えたからもう少しねばったら良かったのかもしれない。今日はホテルの近くで飲むことにする。まずワインバー。入った瞬間に「お高い!」と気がついたがもう店を探す気力もないのでそのまま居座る。ワインも料理(牛肉の赤ワイン煮。函館まで来て何をしている)もおいしかった。マスターは物腰柔らか。それから店の前の道をまっすぐ進んだところにあるバーに入る(Jマップにあった)。先客はなし。ここのマスターは知り合いのMさんそっくり。しばらく飲んでいると二人組の会社員風の男性が入ってきてなんとなく話し始める。どこから来たのか聞かれたので答えると「○●デパート!」と地元デパートの名前を言われ面食らう。水産物の卸売会社の人らしく(名刺もらった)北海道物産展で何度か来ているらしい。函館まで来て同じ県内でも知らない人が多いだろう超ローカルデパートの名を聞くとは…こえーよ北海道物産展。12時過ぎに店を出た。

9月3日(火)8時前に起きる。小雨が降っている。軽い二日酔い。あまちゃん見て化粧して9時半ごろに出発。またコンビニで電車の一日乗車券を買う。魚市場通駅で降りて魚市場へ向かう。今日の朝ごはんはここの食堂。一般客でも食堂は使えるらしい。入口を間違えてカモメ(かウミネコか両方)とカラスがぎゃあぎゃあやっている間をへっぴり腰で通り抜けながら正しい入口へ向かう。食堂からは海が一望できて気持ちいい。銀ダラ定食食べる。うまい!ごはん少なくしてって言うの忘れた、と思っていたけど結局全部食べてしまった。

コーヒー飲みたい、とベイサイドをうろつくが喫茶店は昼営業ばかりで諦める。函館駅に向かう。バスの時間までもう少しあるので函館朝市に行ってみる。噂よりは客引きはたいしたことない。もっと早い時間だとすごいのかな。「お姉さん、カニ探してない?」だとか言われるので無視するよりはと「探してないですね」って言うとすごく変な顔されておもしろかった。適当なお店で特に値切りもせず(面倒くさい)、家用に松前漬けと塩辛とイクラを送ってもらうことにした。まだ時間があるのでドトール行ってオレンジジュース飲む。コーヒーにしようと思ったら「ビタミン!ビタミン!」と身体の中から訴えかけられたため。函館駅からバスでトラピスチヌ修道院へ。三島由紀夫の『夏子の冒険』で夏子が「あたくし修道院に入る」って言うその修道院(作中では「トラピスト修道院」になっているんだけどトラピスト修道院北斗市にある男子修道院)。50分くらいで着く。

修道院の敷地には入れない(もちろん今でもシスターが生活している)のであっという間に見学終了。売店にシスター手作りのお菓子とかロザリオとか売っていて、そのところどころに80年代ファンシー調のイラスト(かわいい絵とともに「シスターの手作りです」とかわいい字で書いてある)が描いてるポップがあった。もしやこれもシスターが描いたのだろうか。もちろん売店の人が描いた可能性も高いが(売店の人はシスターではない)。売店横にある資料館も見てあとどうしよう雨降っているしバスは40分後だと思ったら乗ってきたバスがまだ出発前だったのでそれに乗ってしまう。そのバスで五稜郭タワーまで行く。観光地に行くとなぜか高いところに登りたくなる(京都タワーも大好きだ)。エレベーターで展望台まで。本当に星型みたいになっている(写真にうっすら写真を撮る私が写っている)。

へーって感じで下まで降りて五稜郭公園のはしっこを通って回転ずし屋に向かう。お堀の蓮の花がきれい。

14時過ぎだったのでお客さんは少なめでゆっくり食べる。回転ずしだけど回転していなくて板前さんに直接頼めばいいらしい。カツオ、イカ、ホッキ(一日一ホッキ!)、イクラズワイガニ、鮭のあら汁、生ビール2杯でものすごくお腹いっぱい。

ネタはさすがにおいしい。シャリが大きいのでもう少し小さくしてくれるともっと食べられるのに。帰りは五稜郭公園の中にある箱館奉行所の前を通って(ちょうど星を突っ切る感じ)行くことにした。

箱館奉行所の周りに植えられているアカマツが立派だった。

確かタワーの中でガイドの人が「五稜郭跡で築造当時のままに残っているのはアカマツだけなんですよ」と説明していたな、と思い出す。樹齢150年くらい?歩いてホテルに戻る。少し昼寝して17時半くらいに窓の外を見ると函館山の頂上がしっかり見える!夜景も見えるかも!と急いで出かける。電車乗って十字街駅で降りて急坂上ってロープウェイ乗り場へ。ロープウェイからも夜景が見えていた(みたい。満員でよくわからなかったが視界の隅にきらきらが入ってきた)のでウキウキと展望台へ登る。柵の前は人でびっちりなので人と人の間から見る。うわーきれいだなーとうっかり声を出していたら前にいた人が「どうぞ」と場所を譲ってくれた。ありがてえ。

これはすごい。いや本当にすごい。そういえば函館に行く前に会った人から「函館山の夜景なんてカップルばっかりでひとりだと寂しくなるんじゃないの」などと言われそのときも「そうか?」と思ったが実物の前だと余計に「そうか?」だ。こんなのの前で周りの人なんかどうでもいい。

うっすら霧が出てきたのでそろそろ降りるかと下りのロープウェイに並んでいたら窓から見えるはずの夜景がほとんど見えなくなっていた。どうやらギリギリで見られたってことだったらしい。よかった。電車で函館駅に戻りラーメン屋に向かうがなんとなく予想していた通りもう閉まっていた。大門通り(小さい飲み屋、食べ物屋がいくつか密集している)に行ってJマップにある居酒屋に入る。威勢のいいお姉さんと穏やかなお姉さんがやっているカウンター7席のお店だった。イカ刺し(ゴロ付き)とアスパラ焼きで生ビール。それからコップ酒3杯、あとは昆布をあぶったのと〆に岩のりのおにぎり。全部うまかった。隣に座ったおっさん(大阪出身、青春18きっぷで来たそうな)としゃべり始めて最終的には店にいる全員でわーわーたのしく飲む。その内の4人(京都からきた女子大生、大阪のおっさん、函館のおっさん、私)で「J」行く。まずマスターにJマップのお礼を言って乾杯。12時半ごろまで飲んで結局おっさん(どっちだろう)におごってもらってタクシーでホテルまで乗せてもらった。部屋に入ってテレビをつけるとgleeでフィンが歌っていた。ふらふらになりながらシャワー浴びてベッドに倒れこむ。

9月4日(水)8時前に起きる。軽い(?)二日酔い。今日は朝ごはん食べればいいや、とあまちゃん見てとりあえず化粧してお茶飲みながらぼんやりする。10時過ぎにチェックアウトしてコンビニで電車の一日乗車券を買う。これを買うのも今日で最後か。まずは函館駅に行ってコインロッカーに荷物を預ける。また電車に乗って新川町駅まで行ってはこだて自由市場の喫茶店。またイクラホッキ丼頼む(一日一ホッキでもあるが「一日一イクラ」でもあった)。やっぱりうまい。函館最後の食事をこれにしてよかった。食後のコーヒーを飲みながらお店の人と隣に座ったおっさん(また隣におっさん)としゃべって(埼玉のイカはまっしろでモチモチねっとりした感じ、と言ったら喫茶店のママがすごくいやそうな顔をしたのが印象的)店を出る。会計はなぜか1700円。ん?もしいけそうだったらラーメンも食べちゃうかと思っていたがやっぱり無理だ。まだ少し時間があるので十字街駅まで行って特に写真も撮らずにうろうろ。函館駅に戻ると日が出てきて暑い。雨女である自覚はあるが最終日に晴れやがって、と思う。

シャトルバスを待っていると、函館バスが前を通った。行き先表示のところになんか長々とひらがなで書いてあるな、と思ってよく見てみると「すみません 回送中です」と出ていた。かわいい。空港に着いてお土産を物色する。やっぱりかなり悩む。結局冷凍冷蔵が必要なものはもう買わないでお菓子だけ買った。14時15分の飛行機にのる。せっかくJALに乗っているんだから、とコンソメスープを頼む。うまい。

羽田近辺の空が入道雲だらけになっていておもしろかったがお陰で少し揺れた。予定より遅れて16時ごろ羽田着。「Z」にお土産渡しに行きたいので新宿行きのバスのチケット買う。空港内のビヤホールに入ってビール。あと野菜不足を解消するためにでかいサラダを頼んだ。生野菜久しぶり。あとは適当にコロッケなんか。時間になったので羽田から高速バスで新宿まで向かう。「Z」へ。お土産渡していつものように飲み始めると急速に日常へ戻ってきた気がした。さすがにあまり長居せずに帰る。しかし電車が遅れていていつもより余計に時間がかかった。