『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』

夢枕獏『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』読了。

沙門空海唐の国にて鬼と宴す〈巻ノ1〉 (徳間文庫)

沙門空海唐の国にて鬼と宴す〈巻ノ1〉 (徳間文庫)

「なんかねー昔の話を掘り起こす、みたいな小説が読みたい」と「Z」(よく行くバーの名前)で言ってみたらカウンターからこれが出てきた。

おもしろかった。最後の最後に出てくる「長恨歌」全文が!「長恨歌」を読んでここまでじーんとするとは思わなんだ。空海たちが、50年前、玄宗楊貴妃に何が起きたのかというのを紐解いていく過程を4巻にわたって追いかけていったその先にこの詩が出てくるわけだ。

思い出してふたたびじーん。

七月七日長生殿、夜半無人私語時(七月七日長生殿 夜半に人無く私語の時)
在天願作比翼鳥、在地願爲連理枝 (天に在りては願わくは比翼の鳥と作(な)り 地に在りては願わくは連理の枝と為らん)

■今日からオルハン・パムク『無垢の博物館』を読みたかったのに、店頭に並ぶのはどうも明日かららしい。22日発売ってツイートしてたのに早川書房…。うぐぐぐぐ。アトウッドの『オリクスとクレイク』を買ってしまおうか。