『麦屋町昼下がり』『宇宙飛行士オモン・ラー』『愛おしい骨』

まとめて。

藤沢周平『麦屋町昼下がり』読了(19日)。

麦屋町昼下がり (文春文庫)

麦屋町昼下がり (文春文庫)

やっぱりいいわあ、藤沢周平。続けて藤沢周平を読んでしまいたいと思ったが、ここで読んでしまうと「藤沢周平沼」から抜け出せなくなるのはわかりきっている(なぜなら経験済みだから。何年か前に初めて藤沢周平を読んだときにズブズブと嵌ってしまい、抜け出すのに大変苦労した)ので、ここはぐっとガマン。

■ヴィクトル・ペレーヴィン『宇宙飛行士オモン・ラー』読了(21日)。

宇宙飛行士オモン・ラー (群像社ライブラリー)

宇宙飛行士オモン・ラー (群像社ライブラリー)

ハリボテの宇宙船、切り離しは人力、無人機の中では宇宙飛行士が必死で自転車を漕ぐ……。イメージの珍妙さにクスクス笑ってしまう。オモンはオモンで妙に生真面目にミッションに取り組むし(「いやいやいやいやそりゃないでしょ」とか言い出さない不思議。オモンの命がすごく軽く扱われているのに)、人はバンバン死んでいくし、でもやっぱりおかしいし、あれ? あれ? と思っていると意外にまともなオチがついてびっくりしてしまう。解説を読むと「なるほどね」と思うこともあったけど、私はヘンテコなホラ話として読んだ。そして私はこういうホラ話が大好物だ。

■キャロル・オコンネル『愛おしい骨』読了(26日)。

愛おしい骨 (創元推理文庫)

愛おしい骨 (創元推理文庫)

至福のときを過ごす。ずっと読んでいたかった。まず過去の事件を掘り返す話であるところと、なんと言っても魅力的な(でも少し変な)登場人物がわんさと出てくる。特に女性キャラ。
ハンナ、イヴリン、イザベル、メイヴィス、サリー……。
『クリスマスに少女は還る』のホラー少女、サディーもそうだったけど好きにならずにはいられない。どうしたって好きになっちゃう。読んでいるとコニー・ウィリスを思い出すなあ。キャラクターに愛着を感じると泣くことになりますよ(アハハ)、という点が共通しているんじゃないかと。あと「ミレニアム」シリーズを思い出す。どうしてかを言うとこれはネタバレの気配が……。

マロリーシリーズ『氷の天使』『アマンダの影』もネット古書店で買ってみた。楽しみだ。

■今読んでいるのは西東三鬼『神戸・続神戸・俳愚伝』。いい。たぶん今日中に読み終わってしまうのがかなしい。