『夜の真義を』他

ずいぶん間が空いた。ブログの存在を忘れていた。

■マイケル・コックス『夜の真義を』読了(3月27日)。

夜の真義を

夜の真義を

傑作よ!物語の最初から、主人公エドワードのある人物への恨みつらみが全開なので、正直ついていけない感じがして、「なにこの被害妄想野郎」と思っていたけど、いつの間にかエドワードの気持ちに寄り添うように読んでいた。ずーっと先の方にある主人公の気持ちを読者が追いかけるっておもしろい。あとは「ヴィクトリア朝あるある!」(うっとりするような言葉で綴られる自然賛歌とか、失神する女とか)も良かったなあ。

山崎まどか『イノセント・ガールズ〜20人の最低で最高の人生〜』読了(3月27日)。

イノセント・ガールズ 20人の最低で最高の人生

イノセント・ガールズ 20人の最低で最高の人生

破天荒でどうしようもなく魅力的な彼女たちの人生の物語を、ちょっとだけでも自分に引き寄せて読めるのは女であることの特権だと思う。いいよいいよ。

■プイグ『蜘蛛女のキス』読了(3月31日)。

蜘蛛女のキス (集英社文庫)

蜘蛛女のキス (集英社文庫)

せつない。

■エリザベス・ストラウト『オリーヴ・キタリッジの生活』読了(4日)。

オリーヴ・キタリッジの生活

オリーヴ・キタリッジの生活

良かった。こういうタイトルだと「平凡だけど愛すべき日常!」みたいな内容を想像してしまうけれど(ちなみに私はそういう本、決して嫌いじゃない)、違う。苦い。

まあ、人生、こんなものだろう。わかることがあるとしたら、とうに手遅れになってからわかる。

これはオリーヴの言葉ではないけれど、この連作短編集にはこの気持ちが底の方に流れているように思う。うん。苦い。けれども厳しくはない読後感。良い本。

■今読んでいるのは、バルガス=リョサ『緑の家』。プイグに続くラテンアメリカまつり第二弾。最初はちょっと苦戦したけどおもしろい。明日くらいには読み終わる予定。